Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
レドックス(酸化・還元)に応答して機能や物性が変化する有機化合物が材料科学の観点から注目を集めている。最近では、レドックスにより触媒の機能(活性)をコントロールしようとする試みも行われるようになってきた。この方法が実現できれば、化学反応の反応速度を化学的にコントロールでき、反応プロセスの新しい制御法になりうるのではないかと期待される。一方、我々は、これまでに電気化学的な酸化・還元反応により創製した高活性な化学種を用いた新規有機反応の開発に取り組んできた。たとえば、ある種の化合物を低温で電気化学的に酸化すると炭素-炭素結合が選択的に切断され、対応する有機ジカチオン(カチオンプール)を蓄えることに成功している。このような背景のもと、昨年に引き続いて、有機カチオン前駆体と有機カチオンを電気化学的な酸化・還元により相互変換することにより、レドックスに応答して触媒反応のスイッチ オン・オフが可能な有機分子触媒反応系の実現をめざして研究を推進した。その結果、向山アルドール反応やNazarov環化反応で、共存させた有機カチオン前駆体を選択的に電気化学的に酸化することで有機ジカチオン種を発生させることにより、触媒反応を開始させ、また、この反応系に対してやはり電気化学的な還元を行うことで、反応を停止させることに成功した。さらに、これを繰り返すことで、触媒反応のスイッチ オン・オフを繰り返すことも可能となった。また、有機カチオン前駆体と有機カチオン間のレドックスによる可逆性向上のための新規な有機カチオン前駆体の合成やエナンチオ選択的な反応へ展開するためにキラルな有機カチオン前駆体の合成にも取り組み、それぞれの有機カチオン前駆体の合成にも成功した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Chem. Lett.
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10.3987/com-12-12500
40019365238
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10.1039/c2ob26567b