Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
近年、有機触媒反応が爆発的進展を遂げている。その理由は、触媒自身が安価であり、生体に対する影響も低く、分子を構築する際に高い立体選択性を発現し、操作が簡便であるためである。本研究では、そのような特性を持つ有機分子触媒を用いた新規骨格構築反応を駆使した、自然界に存在する有用な有機化合物(天然物)の全合成研究を行った。具体的に開発した反応は光学活性なピペリジン環を得るためのα、β、γ、δー不飽和アルデヒド誘導体とβーケトアミド誘導体を基質とした不斉ドミノマイケル/ヘミアミナール化反応である。本反応を開発するにあたって既存の触媒のみならず、新たに設計した新規触媒を合成し反応の最適化を行った。結果として、高い光学純度で目的とする光学活性ピペリジン環を構築する事が出来た。また、本反応において酸の添加およびその当量が反応速度に大きく影響する事を明らかとした。この発見により、これまで10~20モル%で反応を行なう事が常である有機触媒反応において、1~5モル%でも反応が進行する事を可能とした。続いて、本反応を鍵工程として、植物由来アルカロイドの全合成へと展開した。植物由来モノテルペノイドインドールアルカロイド類は多種多様な骨格や生物活性が知られており、医薬品候補化合物群として有望視されている。植物体内では、そのようなアルカロイド類がガイソチザールおよびガイソシジンという天然物から派生している(生合成されている)事に着目した。もし、生体内の合成経路をフラスコ内で再現できれば、網羅的にこれら重要アルカロイドを合成できる事となる。したがって、グラムスケール合成可能なガイソチザール、ガイソシジンの全合成を計画した。鍵工程として、先に開発した不斉ドミノマイケル/ヘミアミナール化反応を用い、一段階で全合成に必要な全ての官能基を高い光学純度を伴って合成した。現在、全合成に向けて更なる検討を行っている。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Synlett
Volume: 25 Issue: 02 Pages: 157-162
10.1055/s-0033-1340160
ファインケミカル( 特集号 天然物合成化学の新たな展開)
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Adv. Synth. Catal
Volume: 355 Issue: 18 Pages: 3661-3669
10.1002/adsc.201300919
Chem. Eur. J
Volume: 19 Issue: 52 Pages: 17789-17800
10.1002/chem.201302371
Angewandte Chemie, International Edition
Volume: 52 Issue: 31 Pages: 7990-7994
10.1002/anie.201303143
http://www.sci.kumamoto-u.ac.jp/~ishikawa/ishikawa-lab/Top.html