Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
現在、ハドロン物質質量の大部分はカイラル対称性の自発的破れにより獲得されると考えられている。この自発的に破れているカイラル対称性は、高温・高密度といった極限状態において回復すると理論的に予測されている。「カイラル対称性の自発的破れ」の高密度核物質中における部分的な回復現象を実験的に検証する試みが、近年盛んに行われているが、未だ確固たる証拠を得るには至っていない。本研究では、カイラル対称性の自発的破れの変化に対して、その質量が敏感に応答すると予想がある、エータプライム中間子に注目する。核物質中でカイラル対称性の自発的破れ部分的な回復現象がおこるのであれば、エータプライム中間子の質量は減少する。その大きさは150MeV 程度と、これまで理論予想されている中間子の中でも特に大きい変化を現す可能性が示唆されている。この質量減少効果が核物質とエータープライム中間子間引力として現れるとの予想をもとに、エータプライム原子核束縛状態の探索を行い、ハドロン物質の質量獲得機構の謎に迫る事を最終目的としている。我々は、SPring-8において利用可能な高輝度γ線ビームを使った(γ,p)反応を素過程とし、原子核中にエータプライム中間子を生成、前方に放出される陽子の高分解能測定から得られるミッシングマスにより、エータプライム原子核束縛状態の探索を実施する。本研究では、特に前方に放出される陽子を測定するための高時間分解能飛行時間差検出器(ToF検出器)の設計から始め、面積 3.2 m X 2 m の大型ToF Wallの建設を成功させた。また、達成した時間分解能は50ps以下と予定通りの性能を発揮している事を確認している。本検出器を用いた最初の試験的物理データを平成25年12月に取得。本格的な物理実験データの収集を平成26年4月から計画している。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Instrumentation
Volume: 7 Issue: 12 Pages: 120051-9
10.1088/1748-0221/7/12/p12005
http://ribf.riken.jp/~hohnishi/NewHadrons/