Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究の目的は、配位化学的手法で作製される錯体分子スピン系において、スピン多重度の制御による量子相制御と磁気共鳴状態下での外場応答ならびに光誘起スピンクロスオーバー現象を利用した量子巨大応答を実現することである。本年度は、スピン多重度制御の基礎となるFeおよびCo錯体の電荷移動に関して、XASならびにXMCDを用いた価数と磁気モーメントの決定を行い、Fe-Co1次元鎖では、電荷移動に関与する結合状態を明らかにするとともに、Fe42においては、巨大スピン基底状態がどのようなFeの電子・磁気状態から生じているかを明らかにした。これらの研究により、Feのスピン転移やクロスオーバーを利用した相制御法の一部、異なる秩序状態間の転移を実現する事が出来たが、その一方で、量子揺らぎの大きな無秩序状態と秩序状態間の遷移には、擬一次元系における鎖間相互作用のプログラムが必要なことが明らかになった。巨大応答の発現に関しては、系のコヒーレントな応答の実現が鍵を握る。今回、Fe-Co1次元電子移動型スピンクロスオーバー錯体で1 kHz程度の異常な低周波の誘電分散を見いだし、これが、電子移動が1次元鎖の中でマクロな領域でコヒーレントに起こっているとの解釈を与え、キラル等の結晶構造の対称性の低下との関連に関して提案を行った。マクロな領域の実証に関しては、電荷状態を区別した共鳴散乱等の手法による検証が待たれる。この他、へテロスピン系において、古典スピンと量子スピンを結合して、スイッチ可能な量子ユニットを形成する研究を行い、通常の磁気共鳴では禁制な特異なスピン反転が対称性の制御により引き起こせる事を実証した。この機構を用いると化学シフトを用いなくても、へテロスピンユニット内の古典スピンの状態制御(書き込み)により、量子スピンの反転周波数を制御出来る。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Chem. Lett.
Volume: 43
130004868220
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http://www.hfpm.imr.tohoku.ac.jp/