Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
パルス中性子線回折を用いて、引張変形中の結晶構造の変化を基に変形挙動の4次元(空間軸+時間軸)応力解析を実施した。供試材は、Mg-Zn-Y系合金であり、高強度・高耐熱性を有するαMg母相と濃度変調を伴った新奇な長周期積層構造相(以下、LPSO相)の2相マグネシウム合金の押出材である。変形前の格子間隔を基準として、変形による格子間隔の変化から格子(弾性)ひずみを算出する。Mg-Zn-Y系合金が巨視的な降伏強度に達すると、先にαMg母相の格子ひずみの増加の割合が減少する。この現象がαMg母相の塑性変形開始を意味する。その後、LPSO相の格子ひずみの増加の割合が大幅に増加する。ここで、αMg母相とLPSO相間に応力分配が生じることで、内部応力が与えられる。つまり、LPSO相が弾性変形し続けることが、内部応力を増加させ、これらは転位の抵抗となるため加工硬化を律速させる駆動力となる。したがって、降伏強度は、先に塑性変形する構成相の強さで決まり、加工硬化は、塑性変形しがたい構成相がいかに弾性変形状態であるかによって支配され、大きな内部応力場の発生は流動応力の上昇を促進させる。このような新測定手法を取り入れ、学術的観点ならびに工業的観点に新たな目を向けることに対して非常に意義があり、降伏強度・加工硬化の発現原理を解明することは、高強度マグネシウム合金の開発を指針するために重要である。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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