Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
LPSO構造を有するMg85Ni6Y9合金を水素化し、水素化速度、水素吸蔵特性、水素化による構造変化について調べた。粉砕した合金を673Kで1時間活性化した後、4MPaの水素を導入し水素吸蔵による圧力低下を測定したところ、673Kで水素化が平衡に達するまで4時間程度、573Kでは数十時間要することが分かった。したがって、LPSO相の水素化速度は極めて小さいといえる。試料の構造を大気中室温で測定した結果、MgH2、Mg2NiH4、YH2およびYH3が確認された。673KでのPCT測定の結果、0.1MPa以下でYの水素化物生成に伴うプラトー圧の存在が示唆された。また、1.0MPa付近でMgH2生成に伴うプラトー圧が、2.0MPa付近でMg2NiH4生成に伴うプラトー圧が観察された。4MPa水素中での水素吸蔵量は1.6H/M(約5.0wt%)であった。試験後に1時間真空引きした試料は、LPSO相とY水素化物から構成されていた。完全にLPSO相を再生成するには、より高温での脱水素化が必要であることが分かった。昨年度に実施したMg85Zn6Y9合金の水素化特性と合わせると、LPSO構造を有するMg-Tm-Re(Tm:遷移金属、Re:希土類金属)合金の水素化過程は次の通り考察される。(1)水素導入直後の極低圧域でLPSO相が分解してRe水素化物が生成する。(2)TmのMgに対する固溶限が小さいため、残ったMgとTmが単相を構成できずにMgとMg2Tmに分解する。(3)1.0MPa付近でMgが水素化しMgH2を形成する。(3)Mg2Tmが水素を急増する場合には、2.0MPa付近でMg2TmH4を形成する。水素化後の試料の構造測定はすべて大気中室温で行ったため、詳細な構造変化をとらえるには、その場測定が不可欠である。26年度以降には高輝度X線施設でのその場測定を実施する予定である。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://hydrogen.w3.kanazawa-u.ac.jp/