Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
シンクロ型LPSO構造を持つマグネシウム合金(Mg-TM-RE系合金群)は、適した大きさの単結晶作製が困難なため、その特徴的な構造の詳細な原子配列が決定されていない。本研究はSPring-8を利用した「極微小単結晶X線構造解析法」によってLPSO構造の原子配列解明を目的としており、初年度には18RのLPSO構造を持つMg29Al3Gd4のAl6Gd8クラスタの構造を明らかにした。本年度はまず、新たに3種類のLPSO相Mg合金(Mg85Zn6Y9(18R)、Mg88Zn5Y7(14H)、Mg97Zn1Gd2(14H))の単結晶X線構造解析をBL40XUに設置されたピンポイント構造計測装置を利用して行った。Mg88Zn5Y7は鋳造体から55×20×20μm3の単結晶を切り出し、また、Mg85Zn6Y9、Mg97Zn1Gd2は鋳造体中の単結晶部分にゾーンプレートによる集光ビームを照射した。初期位相決定を行ったところ、LPSO相に対応する層状の原子配列が得られた。次に、多結晶試料や単結晶試料を加熱または圧縮・伸張させた際の格子定数やひずみの大きさの変化を測定するため、ピンポイント構造計測装置のω軸に対して45°傾けたφ軸に相当するガンドルフィカメラアダプタを導入し、多結晶性のMg85Zn6Y9鋳造体試料の回折ピーク位置の温度変化を測定した。測定した回折パターンを比較したところ、昇温するにつれて回折ピークが低角にシフトし、格子定数の増大が確認された。熱膨張係数はMg単体に比べて小さな値となっており興味深い結果となっている。また、高温ではピーク強度の減少とピーク幅の増加が観測され、原子の熱振動による影響が見られており、装置の有用性が認められた。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Presentation (4 results) (of which Invited: 1 results)