Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
上皮管腔組織の形成・維持には、液性因子起因シグナル経路と細胞接触起因シグナル経路による細胞増殖、細胞死、幹細胞動員、未分化性維持、極性等複数の事象制御が大切である。近年新たな細胞接触起因シグナルとしてHippo経路が報告された。しかしながら哺乳類Hippo経路各分子には相同分子が極めて多く、どの上皮管腔組織の形成・維持局面にどのHippo経路分子が最も大切であるかの解明が急務である。またHippo経路遺伝子欠損マウスの多くは胎生早期致死であり、各Hippo経路分子の上皮管腔組織形成における役割やその破綻病態の多くが未だ不明であった。本研究ではこのHippo経路の中でも、癌において蛋白質発現低下や遺伝子変異を高頻度にみ、機能が未だ不明なMob1による上皮管腔組織制御機構やその破綻疾患を解析することをその目的とする。平成24年度には、Mob1全身ホモ欠損マウスが胎生致死となること、全身部分欠損マウスに皮膚外毛根鞘がんなどが発症することを見いだし、Journal of Clinical Investigationに報告した。平成25年度には、(1)子宮内膜特異的Mob1ホモ欠損マウスでは、内膜上皮の過形成と腺管形成の抑制をみて不妊となること、(2) 肝胆管細胞特異的Mob1ホモ欠損マウスでは胆管の過形成と未分化性亢進をみ、早期に胆管がんや肝がんを発症すること、(3) 肺気管支上皮特異的Mob1ホモ欠損マウスでは肺胞・気管支上皮の過形成をみるものの、ヘミデスモゾーム構造が傷害されるために、細胞間接触は弱くなり、気管支上皮には内腔側への剥離がみられることなどを見いだしている。本研究は今後、上皮管腔組織の形成・維持機構の解明に、管腔組織上皮由来悪性腫瘍の治療標的解明につながり、作製したマウスは疾患モデルマウスとなり治療開発に必須なツールとなる。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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