Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究は細胞性粘菌Dictyostelium discoideumにおける配偶子間相互作用の分子メカニズムを解析することによってアロ認証機構の進化に関する理解を深めることを目的としている。D. discoideumの交配型はI型、II型、III型の3種類で、それぞれ自分とは異なる交配型の配偶子とのみ融合して接合子を形成する。これまでに接合に必須の遺伝子としてI型株でmatAとmacAが同定されていたが、昨年度第3の必須遺伝子の存在が示唆されたことから、今年度はさらなる因子についての解析を進め、以下の結果を得た。1. 植物受精因子HAP2/GCS1の二つのホモログ(Hap2及び相同性の低いMrhA)について、遺伝子破壊を作製することによってI型株とII型株においてはそのいずれもが接合に必須であることを示した。一方、III型株では遺伝子破壊が有性生殖に何の影響も及ぼさなかった。以上から、D. discoideumにおいてもHAP2/GCS1は性特異的に機能していること、I型株とII型株の間には異なる認識分子が存在していることが明らかになった。2. I型株の遺伝的バックグラウンドで交配型決定領域を変換した「コンジェニック」なII型, III型株を用いたプロテオーム解析を行い、交配型決定遺伝子の制御下にあると想定される遺伝子の破壊株を作製し、接合への関与を調べた。現時点では有性生殖に影響のある遺伝子は得られていない。3. 子実体を形成する無性発生過程でも細胞の識別が行われることから、無性発生過程の細胞間相互作用が異常となっている既存の能変異体79株を入手し、有性生殖の表現型を解析した。その結果、有性生殖能がある程度低下する遺伝子破壊株はあったものの、完全に欠損しているものは見いだされなかった。接合過程で機能する遺伝子の多くは特異的である可能性が高いと考えられる。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Proc Biol Sci. 2013 Jun 19;280(1764):20130976.
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