Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
記憶形成の最小単位であるシナプスの後端を形成するスパインは直径0.3ミクロン程度の微小領域である。このような環境では各種分子数および活性のゆらぎが機能に大きく影響する筈であると考えた。そこで揺らぎと機能の関係を調べるため、新規光応答型のタンパク質キナーゼの開発を行った。特にCaMKIIに着目し、この分子の活性を青色光照射で、“ミリ秒レベルの時間分解能”と“マイクロメートルの空間分解能”で制御できるようにするため、植物タンパク質であるphototropin1のLOV2ドメインをCaMKIIのキナーゼ領域と結合ドメインの間に遺伝子工学的手法により挿入した。これをプロトタイプとして、様々なリンカー配列や変異の導入を行った。このようにして多数の変異体を作製し、光照射依存的に構造変化が起こるかどうかを調べるため、各変異体にEGFPとEYFP変異体を融合させてFRETイメージングを行った。光照射依存的に構造変化を起こす変異体については、さらにウエスタンブロッティングによる生化学的なアッセイにより、自己リン酸化が起こるかどうかを確認した。このようにして光依存的に構造変化とそれによる自己リン酸化を惹起できる光応答性のCaMKIIの作製に成功した。さらに、この光応答性CaMKIIを遺伝子銃を用いて、海馬スライスの神経細胞に導入し、2光子励起によってスパイン内でCaMKIIを活性化させたところ、スパインの形態変化を引き起こすことができた。今後は、電気生理計測により、光依存的にシナプス長期増強を惹起できるかどうかを調べる。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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