Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
ラットに、状況によって手がかり刺激に対して異なる反応を要求する、遅延順/逆反応課題を訓練した。通常の遅延反応課題では、手がかり刺激の位置を記憶しておき、遅延期間の終了後に、同方向に反応することが要求されるが、本研究で用いた課題では、ブロックごとに、手がかりと同じ方向のスパウトを舐める「順反応」か、手がかりと逆の方向のスパウトを舐める「逆反応」のいずれかを要求した。この課題では、文脈によって同じ手がかりに対して異なる反応をする必要があったが、数週間の訓練を行うと、ラットはこの課題を一定の正反応率で遂行することを学習した。課題を遂行中に、単一ニューロン活動を記録したところ、ラットの頭頂連合野には、手がかり刺激の位置をコードするニューロンと、運動の方向をコードするニューロンの2種類が分布していることが明らかになった。前者は頭頂連合野の後方部に、後者は前方部に、多く分布する傾向があった。運動の方向に選択的に反応するニューロンのほとんどは、記録半球と同側の方向のスパウトを舐める運動に選択的であった。舌の突出方向の偏位には、それと反対側のオトガイ舌筋を収縮させる必要がある(たとえば、舌を右前方に突き出すには、左側のオトガイ舌筋を収縮させる必要がある)ことから、これらのニューロン活動は、対側のオトガイ舌筋への運動指令に関係があると考えられた。現在、感覚性および運動性の情報をコードするニューロンのそれぞれを、蛍光タンパク質をコードしたプラスミドを注入して標識し、組織切片上で、それらを結ぶ局所神経回路の解析を行う実験をすすめており、今後は、同じ刺激に対し、文脈によって異なる運動を選択する、「柔軟な行動選択」を可能とする神経機構を、局所神経回路レベルで明らかにすることを目指していく。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Journal Article (5 results) (of which Peer Reviewed: 5 results) Presentation (19 results) (of which Invited: 2 results)
Journal of Neuroscience Methods
Volume: 218 Issue: 2 Pages: 139-147
10.1016/j.jneumeth.2013.06.004
PLoS One
Volume: 8 Issue: 11 Pages: e78928-e78928
10.1371/journal.pone.0078928
Volume: 8 Issue: 11 Pages: e80245-e80245
10.1371/journal.pone.0080245
Journal of Neuroscience
Volume: 32 Issue: 45 Pages: 16031-16039
10.1523/jneurosci.2278-12.2012
Perception
Volume: 41 Pages: 517-531