Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
個体間コミュニケーションにとって記憶過程は重要な機能である。本研究はコミュニケーション神経情報学にとって必要なダイナミカルな記憶情報処理過程の解明を目的とする。記憶学習の脳内表象として、複数の神経細胞集団の発火が関わるセルアセンブリ(CA)が考えられている。一般的にCAは時間的に一過的な発火が見られるだけであるが、1996年に、提案されたダイナミカルセルアセンブリ(DCA)は時空間パターンを持つ。しかし、まだ実験的にその存在は証明されていない。脳内海馬では、記憶埋め込み過程に関わっているθ波が観察される。研究代表者は、これまでアセチルコリン作動薬であるカルバコールを海馬スライスに投与するとθ波が誘導される事を明らかにした。また脱抑制剤であるピクロトキシンをスライスに投与すると、てんかん波が誘導される事を確認した。さらに、ピクロトキシンで誘導したてんかん波にカルバコールを加えると、てんかん波が抑制され、θ波になる事を明らかにしてきた。今年度、θ波誘導中の海馬神経発火の時空間パターンを測定した。その結果、θ波の1周期内で、神経同期発火による小規模なクラスターが伝搬する現象が観察された。この伝搬は安定しており、発生するθ波中、常に観察できた。一方記憶が阻害されるてんかん波中、同期発火する神経細胞クラスターの空間的範囲(大きさ)はθ波に比べ非常に大きかった。また瞬時に同期的なクラスターが形成された。この事はθ波発生中、神経同期発火の、伝搬するクラスターが海馬神経回路内に誘導され、外界入力刺激と連合する事で空間的なシナプス荷重に変換され、その結果、刺激を表象するDCAが海馬内に形成される可能性が示唆される。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2014 2013 2012
All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (9 results)
Neurosci. Res.
Volume: 印刷中 Pages: 1-9
10.1016/j.neures.2013.12.007
日本神経回路学会誌
Volume: Vol.20(1) Pages: 3-6
10031163973
BIOPHYSICS
Volume: 8 Issue: 0 Pages: 173-181
10.2142/biophysics.8.173
130003310840