Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
ラットの大脳皮質のスライス標本を用いて、FSバスケット細胞の発火により錐体細胞で観察される抑制性シナプス電流(IPSC)をペア電気生理記録法で解析し、Neurolucidaを使った樹状突起と軸索の3次元解析、電子顕微鏡(EM)によるシナプス結合部分の3次元観察等の形態観察を組み合わせ、解析した。FSバスケット細胞の神経終末が、錐体細胞の細胞体を神経支配するペアの錐体細胞のIPSC反応は概して大きく、IPSC反応がとても大きいペア(ピーク約85pA)と小さいペア(ピーク約15pA)があった。それらをEMで観察したところ、前者は錐体細胞の細胞体上に13個(シナプス面積総和3平方μm)、細胞体近傍樹状突起に8個のシナプスを認めた一報、後者は細胞体上に4個のシナプス(シナプス面積総和1平方μm)のみであった。シナプス面積の総和が、IPSCの大きさを決めている事が推測された。また、樹状突起のみを神経支配するペアのIPSP反応はとても小さい事がわかった。さらに、40μmよりも以遠にシナプス入力するペアではIPSCは検出できなかった。シナプス結合をEM連続切片観察によって3次元再構築し、シナプスジャンクション面積を測定した。その結果、細胞体に接着するシナプスの面積は大きく、樹状突起上のシナプス面積は小さく、棘突起上のシナプス面積はさらに小さい事がわかった。モデル細胞を使ったシミュレーション解析の結果、樹状突起や棘突起上のシナプスの面積が小さいのでシナプスを流れる電流も小さく、IPSCが減衰してしまい遠くまで伝導しないということがわかった。以上の結果から、FSバスケット細胞の抑制様式は3つの様相(細胞体の抑制、樹状突起の抑制、棘突起の抑制)を持ち、それぞれ異なった機能を持つ事がわかった。細胞体の抑制は最も強い抑制である。一方、樹状突起への抑制は小さく近傍のみに影響を与える。棘突起への抑制はとても小さく棘突起頭部のみを抑制する効果がある。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Current Opinion in Neurobiology
Volume: 26 Pages: 7-14
10.1016/j.conb.2013.10.003
Cognitive Neurodynamics
Volume: Online Issue: 4 Pages: 1-10
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Front Neural Circuits
Volume: 7 Pages: 105-105
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Advances in Cognitive Neurodynamics (III)
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