Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
社会の生み出す価値はその成員全体に届く必要がある.しかしこれは実際には実現されておらず,供給は偏っている.本研究はこの現象を「社会的供与-収受構造」という概念を軸に,実験科学的に分析する.具体的には,社会心理学実験によってこの構造の実際を明らかにし,MRI計測を用いてその背後にある脳基盤を同定する.特に少数派当事者と呼ばれる人々は社会の生み出す価値から取りこぼされる傾向にある.本研究ではその原因を社会的供与-収受構造に求める.一方で少数派当事者は,その経験を通じてこの構造に対する"気づき"を得ている可能性がある.本研究はこの解明を通じ,誰もが生きやすい社会を作るための基礎となる知見を提供する.