Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
自閉スペクトラム症者は、深刻な感覚・認知の問題を有することが知られている一方、その背景には、多様な感覚・認知の個性の存在が示唆されている。これまでの研究から、ASD者は、感覚知覚に関して事前経験の影響を受けにくく、感覚信号が外部空間よりも自己身体の影響を受けやすい傾向を有することがわかった。また過敏を生じさせやすい鋭敏さを有する可能性も示唆された。一方、定型発達者の中にも、感覚過敏など感覚・認知の問題を有するものが一定程度存在することもわかってきた。本研究では、発達障害等の当事者を含む研究チームにより、感覚・認知の個性を明らかにし、他者の主観的経験を自分ごととして「当事者化」することを目指す。