Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
子宮に着床したヒト胚は、母体内に深く浸潤する特徴を示す。胎盤(栄養膜細胞)は、浸潤の最前線となり、母体からの栄養供給やガス交換を担う。この胎盤の発生過程では、子宮内膜上皮バリアの排除や胎盤細胞の母体空間内での拡大、細胞融合が起き、胚-母体間での競合的コミュニケーションの存在が示唆される。独自の着床モデルを用い、胚による子宮内膜上皮の排除、浸潤の最前線である合胞体栄養膜細胞との細胞競合・細胞融合、さらには胎盤細胞内の異数性細胞の排除機構について解析し、妊娠成立に決定的な影響を及ぼす分子実体について、『母子間の競合的細胞コミュニケーション』という視座から再定義する。