Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
生物の多細胞化の起源において、単細胞生物の原始的な細胞間コミュニケーションの発達は、より高次な自己組織化の礎として必須である。これまでの研究では、酵母が、栄養飢餓時に、自己と同種の細胞をも殺しうる毒を分泌しつつ、毒に耐性を獲得して、自己の子孫細胞以外の競合者となる「新参者」の増殖を抑える現象を見出してきた。この環境中のリソースを独占する生存戦略は、多細胞進化においては、自律的な増殖抑制システムとして働くと予想される。そこで、細胞生物学・数理生物学の両アプローチから、広範な菌類における競合的な細胞間コミュニケーションの普遍性やその作用機序を解析することで、多細胞化の進化的な意義を検証する。