Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
従来の細胞競合の研究では、同一細胞種の集団内での細胞間相互作用が注目されてきた。一方、哺乳類の組織幹細胞は、組織の維持・再生・発がん等、運命決定の鍵となり、別の細胞種のニッチ細胞(支持細胞)と接着し、維持される。近年、造血幹細胞のニッチ細胞は、CAR細胞(骨髄特異的間葉系幹細胞)であることが示され、造血幹細胞集団内に「ばらつき」が生じていること、慢性骨髄性白血病(CML)では、CAR細胞が変容することで変異造血幹細胞の割合が増加し、野生型造血幹細胞が減少する競合的選択が行われている可能性が示された。本研究では、造血幹細胞のニッチ細胞の変容を介した競合的選択の分子機構、役割を明らかにする。