Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
細胞運動は発生や恒常性維持などの生命現象に非常に重要な役割を持つ。生体内の力学的な性質は均一ではなく、生化学的要因に加えてこの力学的相互作用により個々の細胞の運動が制御され、組織全体の変形などが適切に実現する。生体内における力学的性質の不均一性を細胞が感知し、運動を応答するプロセスの背後に潜むメカニズムを理解するために、硬さが不均一な基盤により構築されたジオラマ環境における細胞の這走運動を対象にした理論研究を進める。
本研究課題では、生体内における力学環境の不均一性を細胞が感知し、運動を応答するプロセスがどのように実現するのかを理解するために、硬さが不均一な基盤により構築されたジオラマ力学環境下での運動における細胞の力学応答メカニズムの解明を目指している。本研究の目的達成のために、細胞運動のメカノケミカルモデルを用いて、細胞と同程度の長さスケールに渡る基盤硬さの不均一性を細胞が感知して、その情報を細胞内部のシグナル反応系にフィードバックすることで細胞の運動が変化する過程を数理モデルを用いて実現し、そのメカニズムを理論的に解析する。本年度は、まず最も単純な場合として、力学環境の影響を取り入れた細胞運動のメカノケミカルモデルを構築して、基盤の硬さが一様な場合に着目して研究を進めた。基盤の硬さを変化させたときに細胞の運動性がどのように変化するかを調べたところ、基盤硬さに対して非単調な結果を得た。この結果は先行研究で報告されている実験結果と整合するものである。そのメカニズムの解析も進めて、細胞の力生成と基盤接着の対称性の破れの結果として、概ね理解することに成功した。一方、硬さが非一様な基盤上での運動についても数値計算を進めて、さまざまな基盤のパターンに対して、細胞が基盤のパターンに応じて運動を変化することを確認した。また、一様基盤上での細胞運動の非単調性とも関係する結果が得られたが、その詳しい解析は今後の課題である。
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
一様基盤上での運動について、当初想定していた解析方法ではうまく説明できないことがわかった。そこで、解析方法を再検討することで細胞スケールでのメカニズムの解明に成功した。硬さが非一様な基盤の上での運動については数値計算のデータは取れており、その解析を現在進めている。
今後は、一様基盤上での運動の結果を論文にまとめると同時に、パターン基盤上での運動の解析とそのメカニズムの解明を進める。特に、一様基盤上での運動性の結果との関係を詳しく解析する。また、並行して、力学環境から細胞内化学反応へのフィードバックプロセスを導入したモデルの実装も進める。
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All Int'l Joint Research (4 results) Presentation (22 results) (of which Int'l Joint Research: 9 results, Invited: 3 results) Funded Workshop (1 results)