Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
本研究は、森林の炭素隔離機能において最も解明が遅れている有機物分解における生物要因の影響を明らかにすることを目的とする。近年の研究結果から、菌類の多様性が高いと有機物分解が抑制されることが示されている。また、菌類の多様性の形成に環境要因が影響することも報告されている。これらの背景を受けて、日本の広域を対象とした野外実験から、気温と菌類の多様性形成との関係や、菌類の多様さと有機物の分解速度との関係について明らかにすることを着想した。本研究の成果は、有機物分解過程から始まる土壌炭素蓄積モデルに分解者の多様性という生物要因の組み込みを可能にし、森林による炭素隔離量の推定精度の向上に貢献する。