Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
私たちは眼と耳を通して外界の物体や出来事を認識するだけでなく,映像や音そのもがもつ複雑で豊潤な印象や質感を体験します.本研究では,この「曰く言い難い」印象や質感がクオリア問題を解く重要な鍵であるとみなし,単なる赤い丸のような人工刺激ではなく現実世界の複雑なテクスチャ状の画像や音声を直接に用いて,質感のクオリアを支えている神経表現とその構造を大規模知覚データと計算モデルに基づき解析するとともに,意識下の神経表現がいつどのようにクオリアを伴う意識的気づきに達するかを種々の錯視を駆使した心理物理学実験と脳波デコーディングにより解明することを目指します.