Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
自閉スペクトラム症(ASD)の多感覚における感覚過敏が、脳内抑制性の低下に起因すると指摘されてきている。しかし抑制性低下は、神経の高いノイズ応答(S/N比の低下)を招く。通常はノイズにまみれてしまう感覚信号がなぜ鋭敏に、苦痛を伴って意識に上るのか、合理的な説明はまだ無い。本研究では、定型発達者への神経可塑性操作により、ASDにおける感覚処理様式の再現を試みる。さらに、モデル動物での侵襲的な解析を踏まえ、ASDのS/N比調整特性が定型発達と異なるクオリア構造と感覚体験を生じることを明らかにする。