Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
社会的関係の中で、他個体に関して構成された個別感覚を超越した志向性を「統合クオリア」と定義する。統合クオリアの起源と性質を解明するため、複数家族が群れを作る歌鳥、ジュウシマツを対象とした研究を行う。社会的動物では、声や姿は相互作用と統合を経て、統合クオリアを創発している。本研究の目的は、実世界、脳表象、主観世界の3者の関係性構造を計測し、統合クオリアの性質を知ることにある。ジュウシマツ集団では多様な個体間関係が生ずることを利用し、その関係性を脳活動における神経表象の類似度と異同弁別における主観表象の類似度から得られたクオリア構造と比較する。統合クオリアの発現過程は記号創発の第一歩となろう。