Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
カラフトブタ(Sus sp., Sus inoi)とは、サハリン・北海道を中心に、オホーツク文化期でのみ出土が限られるイノシシ類を指す。同種に対し、サハリン経由で東アジアから北海道へ移入された家畜という仮説が提示されている。オホーツク文化の家畜飼養は、後に続くアイヌ文化の動物利用、特に動物儀礼へ強く影響したことが指摘される。文化接触という点からも、アイヌ文化の成立を考える上で同種は重要な研究対象となりうる。本研究では理化学的分析を用いた上で考古学的解釈を加え、分野横断型のチームとして取組むことで、オホーツク文化の家畜導入の経路や飼養実態(給餌方法・繁殖管理等)の追究、消長の要因解明をめざす。