Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
低温で量体化とよばれる分子形成を生じる系において、1000T級の高磁場によって結合を切断できる可能性が示されている(Y.H. Matsuda et al., Nat. Commun. 11 (2020) 3591. )。本研究では、こうした量体化系では高温において前駆現象となる短距離的分子形成が普遍的に生じることを先行研究で見出している。こうした短距離秩序状態は低温で現れる量体化分子状態よりもはるかに弱く、結合切断に要する磁場は低いと予想される。「非摂動磁場による化学結合破壊の化学」を、① 研究しやすい低磁場下で実現し、② 結合状態についての知見を実験的に得る、ことが本研究の目標である。