Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
本研究では、申請者が近年発見した半金属熱電物質Ta2PdSe6が低温で示す巨大な熱電応答の起源を強磁場実験により明らかにすることを目的とする。また、Biに代表される半金属においては巨大な磁気ゼーベック効果やネルンスト効果が観測されてきたことから、高移動度半金属Ta2PdSe6においても強磁場下での巨大熱電応答を探索する。理論的にTa2PdSe6は電子系に励起子絶縁体不安定性が内在することが示唆され、実験的にもその揺らぎが複数のプローブで観測されている。この揺らぎを磁場によって制御することで磁場誘起での電子相転移を目指す。