Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
強磁場中ですべての伝導電子が最低ランダウ準位を占有する量子極限状態は,磁場中におけるフェルミ面の不安定性と捉えることができる.これまでの研究から,極限状態では電子相関に由来する転移の可能性が指摘され,新奇量子状態探索の舞台として興味をもたれてきた.他方,電子-格子相互作用も寄与する場合,結晶対称性の破れを伴う相転移の可能性が想定される.そこで,電子-格子相互作用を介してランダウ準位と音響フォノンが協奏した場合に起こる結晶対称性の破れを検証すべく,実験室でも十分に量子極限状態に到達可能となるディラック電子系を舞台とし,超音波を用いて結晶対称性の破れやこれを伴う相転移に関する知見を獲得する.