Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
固体中における遷移金属のクラスター化は、多彩な物性を示すプラットホームである。クラスター内のd電子軌道が新たに形成する分子軌道によって、その物性が理解される。一方、4d, 5d遷移金属においては、スピンと軌道の自由度がもつれ合う(多極子状態を形成する)ことで系の物性に影響を及ぼす。しかし、金属クラスター物質における多極子状態については、実験的な観測はほとんどなされていない。本課題では、四量体クラスターを有するアシンメトリ量子物質GaM4Se8 (M = Nb, Ta)に着目し、最先端の放射光技術と電子軌道観測手法を組み合わせることで、分子多極子軌道秩序の実験的観測と学理構築を目指す。