Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
光レドックス触媒を利用したラジカル反応は、一般に酸化還元電位によって支配されるため、酸化還元電位が高い不活性基質への適用が困難であった。特に、環境調和型のメタルフリー反応は殆どが還元反応であり、炭素ー炭素結合形成反応への展開が課題であった。そこで、触媒と基質間の共有結合形成あるいは分子間相互作用を利用して不活性基質の活性化が可能な新規有機光レドックス触媒を考案した。本触媒は従来の酸化還元電位依存型とは異なり、分子間相互作用を駆動力として位置選択的なラジカル種の発生が可能となる。本研究では還元電位が大きく負の値を示す種々の求電子剤を用いて、従来の結合様式とは異なる生物活性物質の合成も検証する。