Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
昨年度、アミンとジブロモジピリンをパラジウム触媒存在下で反応させると、窒素で架橋されたジブロモテトラピロール誘導体が生成することを見いだした。今年度は、このジブロモテトラピロール亜鉛錯体の反応性を検討した。ジブロモテトラピロール亜鉛錯体に塩化ニッケルと金属亜鉛から得られる低原子価ニッケルを作用させると、アザコロール亜鉛錯体が収率よく得られた。また、得られたアザコロール亜鉛錯体にトリフルオロ酢酸を作用させると定量的にアザコロールフリーベースが得られた。これまで、アザコロールについてはニッケル錯体のみ合成が報告されていたが、亜鉛錯体およびフリーベースの合成に初めて成功した。アザコロールニッケル錯体はまったく蛍光性をもたないが、亜鉛錯体およびフリーベースは蛍光性であり、一般的なポルフィリンと同程度の量子収率を示した。また、電気化学測定も行い、アザコロール亜鉛錯体およびフリーベースが高い電子供与性をもつことを明らかにした。以上の特性からアザコロール亜鉛錯体およびフリーベースの太陽電池材料としての利用が期待できるので、現在検討中である。また、アミノ基をもつボロンジピリン(BODIPY)を酸化するとピラジン縮環BODIPY三量体が得れれることを見いだした。今年度はさらにα位にフェニル基をもつBODIPYの酸化反応について検討した。その結果、アゾ架橋BODIPY二量体を得ることに成功した。さらに反応を繰り返すことによりアゾ架橋BODIPY4量体の合成に成功した。X線結晶構造解析からこれらのオリゴマーが高い平面性をもつことを明らかにし、分子軌道計算の結果も合わせると分子全体に共役が効果的に広がっていることがわかった。実際、これらのオリゴマーの吸収スペクトルは顕著に長波長シフトしており、4量体では近赤外領域に強い吸収をもつことが明らかになった。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://www.apchem.nagoya-u.ac.jp/hshino/top.html