Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究課題では、パイ電子系有機分子ユニットに、ホウ素クラスターであるカルボランを導入した新規な有機ー無機ハイブリッド型磁性元素ブロックを開発することを目的としている。今年度は、芳香族アミン化合物にカルボランを導入した分子系を新たに合成した上で、実験的ならびに理論的に合成化合物群を調べ、それらの電子状態について明らかにし、新たな元素ブロックモノマーとしての可能性について調べた。例えば、最も単純な芳香族アミンである、トリフェニルアミンのフェニル末端にカルボランクラスターを導入した場合には、もとのトリフェニルアミンそれ自体の電子状態に影響を及ぼさないことがわかった。一方、無発光性のトリフェニルアミンに、カルボランを導入することにより、発光性を付与できることがわかった。この原因について振電相互作用の観点から考察した結果、カルボランを導入することにより、トリフェニルアミンのHOMOのみ、その分布が導入したカルボラン側に非局在化することが原因であることを明らかにした。また、トリフェニルアミンのフェニル末端にカルボランクラスターを1つ導入した誘導体は、アニオン種であるが、Ⅰ電子酸化することにより、双対イオン構造を持つ中性ラジカル種となり、新しいタイプの中性窒素ラジカルとなることを明らかにした。またこのラジカル種は安定であり、磁性元素ブロックの新たな、常磁性モノマーとして利用可能であることを示すことができた。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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RSC Advances
Volume: 4 Issue: 74 Pages: 39476-39483
10.1039/c4ra06065b
Chemical Physics Letters
Volume: 615 Pages: 44-49
10.1016/j.cplett.2014.10.004
The Journal of Physical Chemistry A
Volume: 117 Issue: 48 Pages: 12858-12867
10.1021/jp4095613
http://www.moleng.kyoto-u.ac.jp/~moleng_03/index_J.html