Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
複数の遷移金属が近傍に配置された多核金属クラスター錯体は単核金属錯体とは異なる特異な反応性を示すことが知られている興味深い元素ブロック群の一つである。われわれは元素ブロックの特異な性質の解明を目的として、多核金属クラスター錯体を基盤とした反応開発、ならびに、選択的な異種金属導入に関する研究を進めてきた。中でも、パドルホイール型二核錯体は、四つの架橋配位子を変更することで二核金属コアの酸化還元電位を広範囲の電位幅で制御可能であるのみでなく、アキシアル位のルイス酸部位を触媒反応に利用できることから、複数の機能を有する興味深い元素ブロックの一つである。可逆的な1電子酸化還元がスムーズに進行する触媒候補として、ベンゾエート配位子、アミジネート配位子、もしくはグアニジネート配位子を有するモリブデン二核クラスター分子を用いたところ、ラジカル反応の触媒系に対して、有機ケイ素化合物の一つであるビス(トリメチルシリル)シクロヘキサジエン誘導体を水素供与体かつ二核金属種の還元剤として用いることにより、モリブデン二核錯体によって炭素-ハロゲン結合切断が進行し、その結果ハロゲン化アルキルの触媒的な脱ハロゲン化反応が進行することを見出した。特に、架橋配位子として二つのアセテート配位子と二つのアミジネート配位子を有するトランス型錯体が最も高い触媒活性を示すことが分かった。さらには、nBu4NClを添加すると触媒活性は向上するとともに、高い触媒活性を示すジアニオン性モリブデン二核錯体が生成することを明らかにした。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Chem. Sci.
Volume: 6 Issue: 6 Pages: 3434-3439
10.1039/c5sc00721f
http://www.organomet.chem.es.osaka-u.ac.jp/