Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本年度は、粒界塑性変形応答に及ぼす①溶質元素の効果、ならびに、②外部因子(ひずみ速度)と内部因子(結晶粒サイズ)の影響について検討を行い、以下の知見が得られた。(1)押出温度を制御することで、平均結晶粒サイズの異なる6種類の純マグネシウム押出材を創製した。初期組織観察から、各押出材の結晶粒サイズは、1um~20umで、底面集合組織を有することを確認した。(2) 室温引張試験によって、前記押出材の粒界塑性変形応答を評価した。強度や延性などの機械的特性や変形メカニズムは、内的・外的因子に大きく影響を受けることが分かった。低ひずみ速度領域では、強度の逆ホール・ペッチ挙動を示した。さらに、引張ひずみ速度が1x10-5 /sである時、微細結晶粒押出材(平均結晶粒サイズ:1.2um)の破断伸びは200%以上を呈し、一般的な純金属材料と異なる力学応答を示すことを確認した。(3)SEM/EBSDやTEMを用いた変形組織解析から、主変形機構を明確にした。平均結晶粒サイズが20um以下であったことから、変形双晶の形成は極めて少なかった。一方で、粒界コンパティビリティー応力の活性化に起因し、何れの変形条件においても、底面・非底面転位すべり運動が変形を担っていた。しかし、ひずみ速度の低速化と結晶粒微細化にともない、粒界すべりの寄与率が大きくなることを明確にした。また、本引張試験条件下の活性化エネルギーは約80kJ/molと算出され、マグネシウムの粒界拡散の活性化エネルギー:92kJ/molに近いことから、粒界すべりの主要因は、すべり運動に誘発された機構(slip-induced GBS)ではなく、粒界拡散に起因することを明らかにした。(4)前年度創製した微細粒二元系合金を熱処理することで、底面集合組織を維持したまま平均結晶粒サイズを100 um以上に粗大化させることに成功した。同材(粗大粒材)の内部摩擦試験結果から、微細粒材と同様の挙動が発現することを確認した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Metallurgical and Materials Transaction A
Volume: 46 Issue: 2 Pages: 894-902
10.1007/s11661-014-2641-2
Philosophical Magazine
Volume: 94 Issue: 12 Pages: 1345-1360
10.1080/14786435.2014.886021
http://samurai.nims.go.jp/SOMEKAWA_Hidetoshi-j.html