Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
次世代の可視光広域サーベイ天文学では、重力波イベントに代表される突発の短時間変動現象への対応と、センサの大面積化にともなう装置の大型化への対応が課題となる。本研究では、高速読み出しと高温駆動を実現する天文用CMOSセンサを開発することでこれらの課題の解決をめざす。高温駆動センサは冷凍機の小型化、ひいては装置の小型化につながる。本研究で開発するCMOSセンサを搭載した観測装置が完成すれば、未開拓分野である可視光の高速広視野天文学を世界に先駆けて開始することが可能になる。研究の初年度には、高感度CMOSセンサを評価するための試験ベンチを製作し、センサメーカーが汎用に開発した読み出し回路を用いて、センサの性能評価を実施した。この評価結果をセンサメーカーにフィードバックすることでCMOSセンサの天文観測への最適化を行った。次に、このセンサと試験ベンチを東京大学木曽観測所の105cmシュミット望遠鏡に搭載して性能評価試験(試験観測)を実施した。結果、開発した高感度CMOSセンサが科学観測に用いるのに十分な性能を持つことを確認した。これを受け、このセンサを搭載した科学観測用カメラの読み出し回路と筐体の設計を実施した。多チップモザイク化を想定して、低発熱の読み出し回路と高い放熱効率の筐体の実現をめざした。研究の次年度には、科学観測用カメラの筐体と読み出し回路の製作および性能試験を実施した。試験により明らかとなった不具合箇所に関しては再設計・再製作を実施した。その後、これらを組み合わせたシステムを用いて、実験室にて高感度CMOSセンサの駆動試験を実施した。結果、高感度CMOSセンサを低ノイズ・高安定かつ低発熱で駆動することに成功した。以上の開発研究により高感度CMOSセンサを天文観測へ投入する準備が完了した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2015 2014
All Presentation (3 results)