Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
外界の状況を的確に認識して物理的な応答を返す「分子ロボット」の創成には、外部からの入力シグナルを感知し下流へと受け渡すセンサの開発が必要不可欠である。論理応答を実行する分子センサとしてこれまで主に研究されてきたのは蛍光発光をアウトプットとするものであるが、これらのセンサは下流デバイスへのシグナル伝達効率という観点では不十分な点が多い。そこで本研究では、光励起に伴い一重項酸素等の活性酸素種(ROS)を産生する「光増感剤」に着目し、これを基盤とする新たなセンサの開発を目指している。本年度はまず、前年度において課題として残されていたリポソーム(GUV)表面への光増感剤の導入について研究を行った。具体的には、本新学術領域研究のメンバーでもある東京大学の豊田太郎博士と共同で遠心沈降法を用いたGUV調製の条件検討を行い、脂質膜内に光増感剤を導入したGUVの簡便な作成方法を開発した。続いて、蛍光色素あるいは加水分解酵素を内液に封入したGUVを作成し、光照射による内液成分の放出について検討を行った。その結果、蛍光色素の放出については「光増感剤あり、光照射あり」の時のみ有意なシグナルの上昇が確認され、本研究のコンセプトを示すことに成功した。一方、酵素の放出については差が観察されず、GUV上での光増感反応による膜透過性の向上は全ての分子に対して有効である訳ではないことが示唆された。換言すると、この結果は光照射によって所望の分子のみをベシクル内外へと輸送できる可能性を示すものであり、分子ロボティクスの観点から有用性が期待される。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 3 results, Open Access: 2 results) Presentation (3 results) Remarks (1 results)
Molecular Robotics Research Group News Letter
Volume: 11 Pages: 4-4
Chem. Commun
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http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~taisha/