Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究の目的は、形や物性において空間的に非対称な高分子ゲルをマイクロメートル・サイズで作成し、それを分子ロボットとして機能させることであった。平成25年度にゼラチンを用いて確立した様々な形を備えた高分子ミクロゲルの作成法を、DNAからなるミクロゲルへ適応した。以下に、特に成果を上げた3つの項目について詳細に述べる。(1)DNAゲルからなる非球形状のミクロゲル:本研究で用いたDNAは、3種類のオリゴマーから構成される。温度低下に伴い、分岐構造を維持しながら互いに絡まり合い、ネットワーク構造を構築することでゲル化する。このDNA溶液にポリエチレングリコール(PEG)を添加した2成分高分子溶液を用いて、油中にミクロ液滴を作製した。温度低下させることで、DNAはPEGと相分離しながらゲルする。温度履歴や液滴を覆う界面活性剤の種類を変化させることで、三日月形をはじめとする様々な形のDNAミクロゲルを作製することに成功した。(2)DNAゲルで内側を骨格状に覆われたミクロ液滴:負に帯電するDNAミクロゲルを、正に帯電する膜で覆われた液滴に封入すると、DNAは膜近傍に局在し、骨格状のゲル薄膜を形成した。このゲル骨格構造は、液滴が崩壊する臨界圧力を約10倍大きくするなど、液滴を安定化させる効果があることを見出した。(3)DNAの構造変化に応じて機能するミクロシステム:ミクロ液滴から取り出したDNAゲルは、エタノールの添加により膨潤・収縮する。この系を用いて、体積相転移に伴い機能発現するDNAゲルの創成が期待できる。また、細胞膜のように脂質2分子膜で覆われた小胞内にDNAゲルを作製することで、膜の半透膜性を利用したDNAの機能が制御できる。例えば、膜内外の浸透圧差がある閾値を超えると、膜に穴が開き、DNA分解酵素が取り込まれることでDNAゲルは崩壊し、膜形態が変化する。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Journal Article (7 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 6 results, Open Access: 4 results, Acknowledgement Compliant: 2 results) Presentation (15 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Invited: 3 results) Remarks (2 results)
ChemBioChem
Volume: 16 Issue: 14 Pages: 2029-2035
10.1002/cbic.201500354
Seibutsu Butsuri
Volume: 55 Issue: 5 Pages: 246-249
10.2142/biophys.55.246
130005100831
コスメティックステージ
Volume: 9 Pages: 67-72
Journal of Molecular Liquids
Volume: 200 Pages: 2-6
10.1016/j.molliq.2013.12.035
Volume: 200 Pages: 47-51
10.1016/j.molliq.2014.03.016
Proc.Natl. Acad. Sci. USA
Volume: 111 Issue: 45 Pages: 15894-15899
10.1073/pnas.1416592111
BIOPHYSICS
Volume: 10 Issue: 0 Pages: 43-48
10.2142/biophysics.10.43
130004678426
https://sites.google.com/site/34yanagi/
http://kenkyu-web.tuat.ac.jp/Profiles/51/0005100/profile.html