Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
タンパク質発現の可逆的光制御法を使いアメーバ型ロボットの内部に光でタンパク質の非対称分布を生じさせ、機能に方向性をもたせる方法の開発が目的であった。タンパク質発現の可逆的光制御法とはmRNAの5'末端に光応答性capを付加し、mRNAからタンパク質への翻訳を光で可逆的に制御する技術である。アメーバ型ロボットの内部にタンパク質の非対称分布を作り出すには2種類の光応答性capが必要になるため、従来の光応答性capと吸収波長域がオーバーラップしない新しい光応答性capをデザインする必要があった。前年度は可視光領域の光を吸収する光応答性capの合成に成功した。しかし、そのcis型は室温であってもミリ秒オーダーでtrans型に熱的異性化してしまうため、cis型を維持するには光を照射し続けなくてはならなかった。可視光といえども長時間の照射は生体分子にダメージを与えてしまうため、cis型が安定して存在するよう改変する必要が残った。本年度は前年度合成した光応答性capの骨格を変更し、37℃においてcis型からtrans型への熱的異性化の半減期が2時間と飛躍的に向上した新規光応答性capの開発に成功した。異性化はtrans型からcis型へは370 m、cis型からtrans型へは430 nmの光で起こり、この波長域の短時間照射であれば生体分子へのダメージは抑えられる。またtrans型とcis型でのタンパク質発現量にはおよそ2倍の差があり、非対称分布を作るには十分である。この光応答性capと従来の光応答性capを併用するばアメーバ型ロボットの内部に光でタンパク質の非対称分布を生み出せると考えている。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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