Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では、ホルムアルデヒド、ギ酸、単糖類など入手容易な炭素資源が共通して有するホルミル炭素-水素結合に着目し、その結合の遷移金属錯体による新規活性化法の創出、および、それを基軸とした新しい分子変換反応の開発を目的とした。1.ホルムアルデヒドを用いたビニルアレーン類の不斉ヒドロホルミル化反応を開発した。スチレンを、ロジウム触媒およびキラルなリン配位子存在下でホルムアルデヒドと反応させると、分岐アルデヒド選択的にヒドロホルミル化が進行し、高いエナンチオ選択性をもって2-フェニルプロパナールを与えた。電子的要因の異なる種々のビニルアレーン類の不斉ヒドロホルミル化も可能であり、対応する分岐アルデヒドを高収率・高エナンチオ選択的に合成できた。炭素同位体標識ホルムアルデヒドを用いた検討の結果より、本化学変換が研究戦略通り、ホルムアルデヒドのホルミル炭素-水素結合の活性化過程を含むことを明らかとした。2.ホルムアルデヒドとアルキンおよびアレン部位を併せ持つアレン-イン類とのロジウム触媒反応を水中で実施することにより、形式的環化ヒドロホルミル化が進行することを新たに見出した。さらに、エンイン類を基質とし、カチオン性ロジウム錯体を触媒に用い、ホルムアルデヒドと反応させると、従来型のエンイン類の環化カルボニル化ではなく上述の環化ヒドロホルミル化が優先的に進行した。これら2つの触媒反応は、ホルムアルデヒドの全く新しい化学変換を経る利用法となり、高度に官能基化されたアルデヒド誘導体の新しい合成法となり得る。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Tetrahedron
Volume: 71 Issue: 5 Pages: 875-881
10.1016/j.tet.2014.12.038
Organic & Biomolecular Chemistry
Volume: 13 Issue: 16 Pages: 4632-4636
10.1039/c5ob00378d
SYNLETT
Volume: 25
http://mswebs.naist.jp/LABs/kakiuchi/index-j.html