Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
前年度に開発したアセトニトリルのアルジミンへの直截的付加反応において,Cu(I)/(R,Rp)-Taniaphos/Barton’s baseを協奏機能型触媒として用いる事で,アセトニトリルのα-C(sp3)-H結合の触媒的な求核的活性化が可能であることを示した。本反応では,ソフトLewis塩基性求電子剤としてN-チオフォスフィノイルイミンを用いることで同時活性化機構が働き望みの付加体が得られるが立体選択性は中程度に留まっていた。選択性向上を目指し,アセトニトリル求核剤の小さい立体バイアスを補完する配位子設計を網羅的に行ったが,選択性の向上には至らなかった。より汎用性の高い反応開発を目指し,活性化イミンを用いない反応系として,アルデヒドを求電子剤とする反応に特化して新たな触媒系の開発を開始した。本反応は,強塩基であるCu(I)/tert-ブトキシド触媒系による77% eeが文献上の最高光学収率であり,アルジミンへの反応と同様に高い立体選択性を発現する反応系の開発が強く望まれている。斎藤らが報告しているRh(OMe)/PCy3系の有効性を鑑み,電子供与性が高く不斉修飾も容易な不斉NHC錯体の本反応における触媒活性を精査した結果,外部塩基を組み合わせることで反応が進行することがわかった。網羅的な不斉NHC配位子の探索を行ったが,キラルトリアゾリウム塩を用いて中程度の立体選択性が発現するのみで,高い光学収率を与える触媒系の同定には至らなかった。α-アニオンを安定化する電子求引性官能基を持たないアルキルニトリルから発生するα-シアノカルバニオンはC-bound型でメタル化されていると考えられており,ニトリルの直線型トポロジーとα-炭素-金属結合の自由回転が立体制御の困難さに繋がっていると考えられる。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://www.bikaken.or.jp/
http://www.bikaken.or.jp/research/group/shibasaki/shibasaki-lab/index.html