Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
1980年代以降の日本近海における海面水温の上昇や海氷分が、日本周辺の冬季降水量変動に与える影響について調べた。まず、1982/83~2007/08年の26年分の冬季について、領域大気モデルWRF-ARWを使用した数値実験を行った。大気の境界値はJRA-25/JCDAS、海面水温はOISSTの日別値を用いた(以降、REALラン)。海面水温の長期的な変化による大気への影響を調べるため、海面水温の日別気候値を作成し、これを境界条件とした感度実験も行った(以降、CLIMラン)。REALランは、東北地方の日本海側で有意な降水量の増加を示し、観測された特徴を再現した。また、統計的に有意ではないものの北陸地方に観測と類似した減少傾向を再現した。CLIMランでは、東北~北陸地方の日本海側で、観測やREALランとは異なり降水量は減少傾向に転じていたことから、近年の日本海上の海面水温上昇が日本海側の冬季降水のトレンドに寄与していたことが分かった。さらに、日本海で発生・発達する低気圧が活発な年に着目すると、海面水温の上昇が低気圧性降水の増加に寄与し、太平洋側の降水量にまで影響を及ぼしうることが示唆された。また、オホーツク海の海氷面積変動は、オホーツク海側地方の冬季降水量や降水強度に影響する可能性が示唆された。日本近海の海面水温や海氷分布は全球気候モデルによる地球温暖化予測においても不確実性が大きい。本研究で見積もられた海水温・海氷の偏差が陸上降水量に与える影響は、地域気候予測の不確実性として翻訳することが可能である。JRA55再解析データにより太平洋沖を通過する南岸低気圧と海面水温との関係を調べたところ、東京の降雪割合と低気圧経路の関係、すなわち低気圧経路が南にずれるほど東京で降雪が生じやすくなるという経験的に知られる関係、を統計的に示すことに成功した。この関係は黒潮が大蛇行している時に明瞭となるのに対し、非大蛇行時には不明瞭となることが分かった。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Climate
Volume: 28 Issue: 7 Pages: 2873-2883
10.1175/jcli-d-14-00569.1
Journal of the Meteorological Society of Japan. Ser. II
Volume: 92 Issue: 4 Pages: 327-346
10.2151/jmsj.2014-404
130004690900
Water Resources Research
Volume: 49 Issue: 11 Pages: 7763-7777
10.1002/2012wr013206
120005434491
Journal of Applied Meteorology and Climatology
Volume: 52 Issue: 10 Pages: 2226-2242
10.1175/jamc-d-12-0192.1
120005418072
SOLA
Volume: 9 Issue: 0 Pages: 139-142
10.2151/sola.2013-031
130004940984
http://wwwoa.ees.hokudai.ac.jp/people/t_sato/research/img/SS2013WRR.jpg