Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
中緯度の海面水温前線は、大気下層の傾圧性の維持を通して、ストームトラック活動に影響を与える等、気候において重要な役割を果たしている。この南北水温勾配の維持に混合層厚が重要な役割を果たしている可能性があるが、これまでに海面水温前線の南北での混合層厚の差が、どのくらい重要な役割を果たしているのかを定量的に調べた研究はなかった。そこで、本研究では、観測データと高解像度海洋大循環モデル(OFES)の結果を解析することにより、海面水温前線の南北での混合層厚の違いが、海面熱フラックスによる前線の緩和に与える影響を調べた。黒潮続流域では、冬季に顕著な水温前線が存在し、夏季には水温前線が見られなくなるため、秋季から春季のみの解析を行った。本研究の主な研究対象である黒潮続流域と比較のために解析を行ったアガラス反転流域では、ともに海面水温前線の南北での混合層厚の違いが重要であったが、冬季には面白い違いが見られた。黒潮続流域では、前線の南北で混合層厚に大きな差が見られ、熱容量に大きな差が存在するため、海面熱フラックス項は、冬季の海面水温前線を0.6℃/月も強化する方向に働いていた。一方、アガラス反転流域でも前線の南北で混合層厚に差が見られるが、海面熱フラックスの南北差の方が大きく、海面熱フラックス項は、海面水温前線を緩和する方向に働いていた。ただ、混合層厚の違いは、海面熱フラックスによる水温前線の緩和効果を約0.1℃/月弱める方向に働いていた。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Oceanography
Volume: 未定 Issue: 5 Pages: 1561-1577
10.1007/s10872-015-0283-7
Geophysical Research Letters
Volume: 41 Issue: 7 Pages: 2447-2453
10.1002/2014gl059624