Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本提案研究では、紫外線照射をトリガーとしてバイオミネラリゼーションを誘起するケージドタンパク質の創製を目的とした。ケージド~とは紫外線照射により~を放出する前駆体と定義する。本研究ではまず、ケージドタンパク質創製のための基盤となる、ケージドアミノ酸大量供給経路および新規タンパク質化学合成法を確立することとした。この結果、昨年度までにケージド非水解性リン酸化アミノ酸の開発に成功するとともに、タンパク質完全化学合成法を確立した。しかし後者については、新たに二つの課題が明らかとなった。すなわち、ペプチド固相合成により調製可能なフラグメント鎖長は最長50残基程度であることから、巨大タンパク質の化学合成では多数のフラグメントの縮合が必要となり煩雑であること、および、あるアミノ酸部分でのフラグメント縮合が困難であることの二点である。そこで今年度はこれら課題の解決を目指し、新たなタンパク質合成法の検討を行った。まず前者については、各フラグメントを全て化学合成により調製するのではなく、天然型アミノ酸のみからなる大きなフラグメントは発現タンパク質の化学変換により調製し、これをケージドアミノ酸を含む小さなフラグメントと縮合することにより、1ステップにて調製することとした。この結果、天然型アミノ酸のみからなるタンパク質をフラグメント縮合法へと利用可能な形へ変換する化学的方法を見出すことに成功した。また後者については反応条件を精査することにより、従来困難とされてきたPro-Cys部位での縮合法を確立した。当初、予期していなかったタンパク質完全化学合成法の課題が明らかとなったため、ケージドタンパク質の化学合成には至らなかったものの、本研究より得られた成果はいずれ、その基盤技術となるものと確信する。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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