Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
グラム陰性細菌のクオラムセンシングに関与するLux系を改変したレポーターアッセイシステムを用いて、メタゲノム法による未培養微生物のクオラムセンシングに関して解析を行った。陸上由来のメタゲノムライブラリから、レポーターアッセイの結果を指標に取得した活性物質生産クローンは、予想されたアシルホモセリンラクトンの生合成遺伝子ではなく、モノオキシゲナーゼに相同性を示す遺伝子を保有していた。また、活性クローンは青色色素であるインジゴを生産したが、インジゴにはクオラムセンシグ活性は無かった事から、他の微量生産物が活性本体であると考えられた。活性クローンを大量培養後、培養上清および菌体を有機溶媒で抽出し、レポーターアッセイ結果を指標に抽出物の分画を行った。逆相および順相クロマトグラフィー、複数の担体によるゲルろ過、4種のカラムを用いたHPLC分画により、40 Lの培養液から0.1 mg以下の活性物質を単一ピークとして取得した。ESI-LC-MSによる分析から本物質は分子量293であり、また高分解質量分析結果からその分子式をC16H11N3O3と推測した。これは関連が推測されたインジゴと比較しNOH大きいものであった。また、重水素交換実験から、交換性プロトンを3個含むと推測された。また、海洋メタゲノムライブラリ中に複数見出されたインジゴ生産クローンについても解析したところ、いずれもクオラムセンシング活性物質を生産していた。一方、それらクローンが保有する酸化酵素は陸上メタゲノム由来のものと比較して相同性が10%程度であり、配列的にはほぼ関連が無かった。以上のことから、未知のクオラムセンシング物質の生産には酵素の配列では無く、インジゴの産生能が大きく関与していることが推測された。また、陸上海洋問わず、広く分布する酵素により産生されることが示唆された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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