Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に起因して、福島第一原子力発電所が水蒸気爆発を起こし、大量の放射性物質が原発周辺に放出された。放出された放射性物質の中で、総放出量と半減期から、原発周辺の土壌汚染の主な原因は放射性セシウム(Cs)であるといわれている。原発周辺の広範囲で放射性Csが土壌表層の細粒物質に濃集していることが確認されており、土壌に普遍的に含まれている層状粘土鉱物がCsの主な取り込み媒体と指摘されている。 福島県の土壌は阿武隈花崗岩を母岩としており、その風化生成物である層状粘土鉱物のであるスメクタイト、バーミキュライト、イライトの存在が確認されている。層状粘土鉱物は層状の結晶構造を持っており、層間に保持される陽イオンは溶液中の陽イオンと交換可能である。Cs+はこれら粘土鉱物への親和性が特に高いため、原発事故により放出されたCsは層状粘土鉱物の層間に強固に保持されていることが予想されている。しかし溶液中の主要陽イオンが高濃度である場合、強固に保持されたCs+であっても他の陽イオンとの交換によりCs+は溶脱する可能性がある。自然界において粘土粒子が接触する天然水は主要陽イオンを様々な濃度で含んでいる。したがって天然の土壌に吸着した放射性Cs+が天然環境に溶出することが懸念される。環境中における放射性Csの動態の理解には、天然土壌からの主要陽イオンによるCs溶脱挙動の理解が必須である。本研究は福島県第一原発周辺に分布する土壌粘土を用いて、主要陽イオン(Na+, K+, Mg2+, Ca2+, NH4+, Li+)添加によるCs(133Csおよび137Cs)の脱離挙動を系統的に検討した。また標準的なスメクタイトに保持されている微量セシウムを対象に主要陽イオンによる脱離実験も行った。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2014 2013
All Journal Article (9 results) (of which Peer Reviewed: 8 results, Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (13 results) (of which Invited: 4 results) Book (1 results)
Chemical Geology
Volume: 387 Pages: 133-143
10.1016/j.chemgeo.2014.08.024
Environmental Science & Technology
Volume: 48 Issue: 18 Pages: 10743-10749
10.1021/es502758s
Journal of Solution Chemistry
Volume: 43 Issue: 6 Pages: 1055-1077
10.1007/s10953-014-0193-0
マテリアルステージ,
Volume: 4 Pages: 44-46
40020064241
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry
Volume: 299 Issue: 1 Pages: 569-575
10.1007/s10967-013-2740-3
Journal of Mineralogical and Petrological Sciences
Volume: 109 Issue: 1 Pages: 23-27
10.2465/jmps.130620c
130003383598
Environmental Science and Technology
Volume: 47 Issue: 22 Pages: 12811-12818
10.1021/es402676n
Biogeosciences
Volume: 10 Issue: 10 Pages: 6215-6223
10.5194/bg-10-6215-2013
Applied Geochemistry
Volume: 36 Pages: 92-103
10.1016/j.apgeochem.2013.06.013