Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
哺乳類の腎臓発生において後腎間葉はGDNFを分泌し、それがウォルフ管に発現するRetに作用することでウォルフ管におけるErkシグナルを活性化し、その結果1本の尿管芽が誘導される。我々は前年度までに、Ror2およびWnt5a 欠損(KO)マウス胚の後腎間葉が異常な配置を示すことを見出している。そこで本年度はまず、GdnfとRetの発現パターンをin situハイブリダイゼーション法によって解析した。その結果、胎生11日目の野生型マウス胚ではGdnfがウォルフ管に近接する後腎間葉領域に限局していたのに対し、Ror2およびWnt5a KOマウス胚ではその局在がより前方にまで拡大していた。一方、Retの発現は遺伝子型に関係なく尿管芽先端での強い発現を伴うウォルフ管・尿管芽全体に認められた。これらの結果から、Ror2 およびWnt5a KOマウス胚ではGdnfの発現領域の拡大によってGDNF-Retシグナルが異所的に活性化している可能性が考えられた。実際、GDFN-Retの下流シグナル因子であるErkのウォルフ管での異所的な活性化が、抗リン酸化Erk抗体を用いた免疫染色によって確認された。これらの結果から、Ror2およびWnt5a KOマウス胚では、Gdnfの発現拡大に伴い、GDNF-Retシグナルが異所的に活性化していることが明らかになった。後腎間葉におけるGdnfの発現はRobo2-Slit2シグナルやFoxc1によって負に制御されることが知られている。しかし、KOマウス胚におけるそれらの発現パターンは、野性型マウス胚における発現パターンと同じであった。以上の結果から、Wnt5a-Ror2シグナルは後腎間葉の配置を制御することによって、後腎間葉とウォルフ管との適切な相互作用による正常な尿管芽形成に必須な役割を担っていることが示唆された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2014 2013 Other
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results, Open Access: 1 results) Presentation (3 results) (of which Invited: 1 results) Remarks (1 results)
Mol Cell Biol
Volume: 34 Issue: 16 Pages: 3096-3105
10.1128/mcb.00491-14
http://www.med.kobe-u.ac.jp/medzoo/