Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
平成26年度においては、分子内スピロ環化平衡を最適化することで開発したブリンキング色素HMSiRを用い、細胞における超解像イメージングを実施した。特にH25年度までの検討から、1)ライブセルにおける超解像タイムラプスイメージング、2)共焦点顕微鏡での超解像イメージングが実施可能であることが示唆されたため、平成26年度ではより詳細な条件を精査した。その結果、本色素を用いることで、原理的にレーザー強度を下げることが出来ない従来のdSTORMでは難しかった測定が可能であることが示された。1)生細胞中の微小管をブリンキング色素でラベル化後、従来のdSTORMの10分の1以下の強度の励起光で10分おきに7回測定したところ、合計約1時間にわたって微小管が動く様子を観測することに成功した。また、5分間連続して測定し、30秒につき1枚の超解像画像を15秒ずつずらして動画を作製することで、チューブリンの重合/脱重合のダイナミクスを15 s/frameという比較的高い時間分解能かつ47nmの空間分解能で観察できることを示した。このように、必要な空間分解能や測定時間、細胞試料への影響を考慮してレーザー強度を最適化することが可能であることが示された。2)低レーザー強度でも明滅する特性を活かし、細胞深部におけるSLMを実施した。細胞を固定化後、ガラス面から数マイクロメートル離れた核の上部に位置する核膜孔を構成するPOM121及びNup107を抗体によってラベル化し、スピニングディスク共焦点レーザー顕微鏡で観察した結果、各分子の中心角から8回対称であることが示唆された。また、POM121の方がNup107より半径が大きく、報告されている位置関係と一致した。これらの結果から本色素をスピニングディスク共焦点レーザー顕微鏡と併せて用いることで観測領域をガラス面近傍から細胞深部に拡張できることが示された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/press.html#20140722