Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
キタネコブセンチュウ(Meloidogyne hapla)は寄生性の線虫で,植物の根の内部の「巨大細胞」と呼ばれる特殊化した細胞から栄養を獲得している。この巨大細胞は,線虫によって誘導される植物由来の細胞であり,その形成段階で周囲の細胞と原形質が切り離される。その結果,宿主の植物体と,この特殊化した細胞との間のすべてのコミュニケーションは細胞壁空間を介して行われる。巨大細胞の形成過程では,木部や篩部に隣接した特定の細胞壁領域における細胞壁の大規模な内方成長という細胞壁の再構築が行われる。本研究は,局所的な細胞壁の再構築を制御する分子機構の特性を解析し,細胞壁空間が特殊化した細胞の機能にどのような影響を与えているかを明らかにしようとするものである。局所的な細胞壁の再構築過程を分子レベルで明らかにするため,植物側の変異株を用いて,この細胞壁の内方成長を含む巨大細胞の形成過程の解析を行った。ミヤコグサで分離された4つの変異株は,いずれも細胞壁の内方成長に異常をきたすが,これらの原因遺伝子はこれまでに細胞壁合成に関与することが知られていないものであった。細胞壁の合成に関与する新たな分子機構の一端を明らかにすることができた。この遺伝子の機能を推定するために顕微鏡を用いた詳細な観察,および生理的な変化と形態変化の関係について解析を行った。巨大細胞の形成過程を分子レベルで明らかにするためには遺伝学的な解析は有用である。この過程に関与する新たな変異株の検索を行った。なお、2013年度途中に、姓をGotoからBartlemに変更した。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
All 2014 2013
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results)
Journal of Experimental Botany
Volume: 65 Issue: 7 Pages: 1789-1798
10.1093/jxb/ert415
Plant Science
Volume: 213 Pages: 9-17