Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
マメ科植物と根粒菌の共生の成立には、「共生器官である根粒の発生」と「感染糸を介した根粒菌感染」が同調的に進行することが必要不可欠であることが知られているが、個々の事象の制御機構や、その同調性を制御する機構は未解明な点が多い。本研究は、根粒発生および感染糸形成の遺伝的制御機構を明らかにすることにより、根粒共生成立の基盤となる宿主細胞と根粒菌の間で行われる情報のやりとりの分子メカニズムを解明することを目的にしている。平成26年度は、前年度までに同定した感染糸中において発現する根粒菌遺伝子についてトランスポゾンのタグラインの表現型を解析した。その結果、いくつかの新規な遺伝子が根粒共生の関与することを見出した。また、Autoregulation of nodulation (AON)と呼ばれる制御系において働く、シュート由来の根粒形成抑制物質の同定を試みた。AONはマメ科植物において広く保存された、根とシュートを介して全身的に根粒数をコントロールする制御系である。ミヤコグサでは、根粒菌感染により発現が誘導される根由来のCLE-RS1/2ペプチドが、シュートにおいてそのレセプターであるHAR1によって受容されることにより、根粒形成抑制物質が生成され、それがさらに根に運ばれ、根粒形成を抑制すると考えられている。網羅的ホルモン定量解析により、シュートにおいて根粒菌感染およびHAR1依存的にサイトカイニン合成が促進されることがわかった。さらに、シュートに投与したサイトカイニンは実際に根へと移動しうること、根粒形成を抑制する活性をもつことが示された。繰越により平成27年度に実施した平成26年度の実績としては、根粒菌の感染過程に異常を示す新規なミヤコグサ突然変異体の原因遺伝子の同定を行った。ポジショナルクローニングとゲノムリシーケンスを併用し、原因遺伝子を特定した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2015 2014 2013
All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 4 results, Open Access: 1 results) Presentation (7 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Invited: 5 results)
Nat. Commun.
Volume: 5 Issue: 1 Pages: 4983-4983
10.1038/ncomms5983
Curr. Opin. Plant Biol.
Volume: 21 Pages: 16-22
10.1016/j.pbi.2014.06.002
Development
Volume: 141 Issue: 12 Pages: 2441-2445
10.1242/dev.107946
Plant Physiol.
Volume: 165 Issue: 2 Pages: 747-758
10.1104/pp.113.233379