Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では腸内細菌がShp-2の機能に与える影響について明らかにし、さらには、腸上皮細胞でのShp-2欠損による腸炎発症と発がんの関係をマウス明らかにすることで、発がんスパイラル機構「腸内細菌→Shp-2機能抑制→腸炎→大腸がん」の全容解明を目指している。前年度までの腸上皮細胞特異的Shp-2コンディショナルノックアウト(cKO)マウスの解析により、チロシンホスファターゼShp-2は腸上皮細胞の移動や分化に重要な役割を担い、腸炎の発症に対して抑制的に機能することを明らかにすることが出来た。そこで本年度は前年度の研究を継続すると同時に、腸内細菌のどのような成分がShp-2を介した腸上皮細胞の移動、分化に影響を与えるのかについて解析を試みた。具体的にはマウスの腸から単離したクリプトの三次元培養を行い、培養液中に様々な菌体成分や菌の代謝物を加えることによって起こる変化を観察し、さらにはShp-2の下流分子にあたるMAPKの阻害剤を培地中に添加して観察を行った。その結果、腸内細菌の代表的な代謝産物である短鎖脂肪酸を培地中に添加した場合には単離したクリプトから形成される腸オルガノイドの成育が促進されるが、そこにMAPKの阻害剤を添加すると成育が阻害されることが明らかとなった。以上の観察結果をもとに、現在は短鎖脂肪酸が腸上皮細胞のShp-2活性を正に制御しているかにつき検証を進めている。また、本年度はin vivoレベルでShp-2とがん発症の関係性について明らかにすることを目的として、腸管での発がんモデルマウスとして知られるApc min/+マウスとShp-2 cKOマウスの交配を重ね、Shp-2 cKO / Apc min/+マウスの作製を進めた。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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PLoSOne
Volume: 9 Issue: 3 Pages: e92904-e92904
10.1371/journal.pone.0092904
http://www.med.kobe-u.ac.jp/tougou/signal/Home.html