Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
学習と記憶の仕組みを分子レベルで明らかにすることを目的として、線虫C.エレガンスの塩走性に見られる連合学習の機構を調べた。線虫は、塩の濃度勾配上に置かれると餌を経験した塩濃度に向かい、飢餓を経験した塩濃度を避ける。この学習では、記憶された塩濃度と現在の塩濃度の差に基づいてASER味覚神経から後シナプス介在神経へのシナプス伝達効率が変化する(塩濃度走性、Kunitomo et al., Nature Communications 4:2210 (2013))。ASERの後シナプス介在神経を破壊し、塩走性における役割を調べた。その結果、二つの介在神経が異なる条件で進路決定に寄与していることが示唆された。記憶の分子機構の解明についても進捗があった。遺伝学的解析から、ASER神経細胞内のジアシルグリセロール(DAG)シグナル伝達経路の活性が塩走性の極性を制御していることが知られていた。連携研究者らは、ASERのDAGレベルが塩濃度の変化と逆の相関を示すことを明らかにした。この結果は、塩濃度の変化によりASERのDAGレベルが上下し、シナプス伝達効率の変化を介して行動が制御されていること、またASERにおけるDAGレベルの調節機構が塩濃度の記憶の一部を担っていることを示唆する。塩濃度走性の記憶は数時間しか持続しない短期記憶であったが、餌と高い塩濃度を繰り返し経験させると、高塩濃度への走性が10時間程度保持されることがわかった。変異体の解析から、この長期記憶の形成にはAIB介在神経におけるAMPA型グルタミン酸受容体GLR-1の働きが重要であることを示唆する結果が得られた。ナトリウムイオンを細胞外に運び出す微生物型ロドプシンKrokinobacter Rhodopsin 2が線虫の神経活動を光依存的に抑制し、光遺伝学ツールとして使用できることを明らかにした。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 4 results, Open Access: 1 results) Presentation (6 results)
Nature
Volume: 未定 Issue: 7550 Pages: 48-53
10.1038/nature14322
Science
Volume: 345 Issue: 6194 Pages: 313-7
10.1126/science.1250709
The Journal of Neuroscience
Volume: 34 Issue: 47 Pages: 15631-15637
10.1523/jneurosci.1757-14.2014
Nature Communications
Volume: 4 Issue: 1
10.1038/ncomms3210